• 先週から桜が開花したので、満を持して宮部みゆきの「桜ほうさら」を読み始めている。最初のキャラ紹介ともいうべきイントロからぐぐぐっと引きこまれてしまい、もう大変。さすがは宮部みゆき
  • わたしは、宮部みゆきのファンを自称しているが、実は偏ったファンである。彼女の得意とする分野(現代少年少女物、現代社会派物、ファンタジー、時代劇)のうち、読んでいるのは現代少年少女物と現代社会派物だけ。ベストは「レベル7」である。時代劇は、これまで手を出さないでいた。読みにくいし、興味はわかないだろうと勝手に自分で自分を決めつけていた。
  • 今回、桜ほうさらの文庫版を手にとったのは、装丁と桜色のデザインに惹かれたため。つまりはジャケ買い。時代劇に手を出さないでいたことに後悔するやら、嬉しいやら。こんなにも自分に合うとは思わなかった。切なさが微妙に混じったハートウォームミステリが堪らない。これは、いつもの宮部みゆきであり、時代劇になったからというわけではないのだけどね。「粋」というのが、時代劇になって加わっている。何と言っても舞台は、本所深川・日本橋。貧乏長屋で暮らす訳ありの青年浪人が主人公。どうです、これだけで粋な雰囲気が全力全開じゃないですか? 「ちょっと風流してくるよ?」なんてセリフが飛び出そうじゃないですか?