2020年読了リスト

  • たまにはブログらしい事をしてみようと思い、記事を作成してみました。
  • タイトル通りに2020年の読了リスト。読み終えた本の感想を短く書いただけ。もちろん、この記事のために書いたのではなく、読了する毎にEvernoteにちびちびと書いておりました。それをコピペしただけです。
  • ★は極個人的な評価。多いほどお気に入り。

メモの魔力(前田裕二)、200601読了。自己啓発本なるものは初めてだ。何事も経験と思い手を出した次第。3段式メモが内容の全て。わたしのギョーカイでは、results-discussion-further studyと変換できる。面白いと思ったもの、友人や師匠のセリフなどを、何故面白いのか、役に立つのか、それが何に応用できるかとメモを取る。何でも取る。全体的に横文字ギョーカイ用語で自分に酔っているが、間違った事や特別な事は言っていない。著者はチャラけた容姿だが、根性は座っているようだ。★★★

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 八月のまぼろし(太田紫織) 200612読了
正太郎が女。これは筆者が女性なので仕方なし。櫻子さん=サイコパス=橘なのか。いずれにせよ、いつまでこんな事やってんの。★

暴虎の牙(柚月裕子)、200404読了。ガミさんが出てくるところだけ満足。描写が薄い、尻切れトンボにシリーズ終了。結局、何がやりたかったんだ。がっかり感だけ。なんじゃそりゃ~。やはりシリーズ化するべきではなかったと思う。孤狼の血があれだけ綺麗に終わっていたのだからなぁ。ハードカバー1800円(税別)は、わたしにとって大金だ。買うべきではなかった。★

イチロー流「最善主義」で夢を叶える(児玉 光雄)、200229ごろ読了。いろいろと勇気づけられた。貴様にとって最重要なルーティンとは? 日々、飽き飽きするような単純作業の繰り返し。これこそがプロの仕事。嫌な仕事はトレーニングとして認識し、名人芸を目指す。「飯でも食うかー」のつもりで、トレーニング。未だに、メジャーリーグで打席に立つときの音楽が、頭の中で流れる→原稿の書き始めなどに。文章というか、作者がまるで自分がイチローのように、勝手にイチローを解釈して持論にするところは草。★★★

世界の危険思想(丸山ゴンザレス)、200321ごろ読了。全体的に文章から頭の悪さがにじみ出る。筆者は編集者であって作家ではない。ネタは凄いのだろうけど、台無しに。クレージージャーニーの語りをそのままテキストに起こしただけ。期待はずれ。★

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系(森見登美彦)、200314ごろ読了。最高。言い回しが軽快でブラック・ラグーンに通ずるものあり。ファンタジー青春グラフティ。京都の街を若さと愚かさが駆け抜ける!! ★★★★

侠飯6 炎のちょい足し篇 (文春文庫)

侠飯6 炎のちょい足し篇 (文春文庫)

侠飯6 炎のちょい足し篇 (福澤徹三)、200412ごろ読了。いつもの通りに面白い。安定したマンネリ。柳刃組長の説教がたまらなくありがたやありがたや。次回も真っ先に買いたい。★★★

食の実験場アメリカ-ファーストフード帝国のゆくえ (鈴木 透)、200201ごろ読了。面白い。アメリカ史の知らないことばかり。記憶媒体としての食に目からうろこ。料理は過去の歴史すべてを記憶し、受け継がれているのだ。大学の先生ということで、少し読みにくいところもあったけど、由かな。★★★

A7: しおさい楽器店ストーリー (光文社文庫)

A7: しおさい楽器店ストーリー (光文社文庫)

A7: しおさい楽器店ストーリー (喜多嶋隆)、200322ごろ読了。いつもの喜多嶋隆ワールドと言いたいところだが、今度のヒロインは従姉妹。ちなみに前回は妹。従姉妹は法的にも結婚できるとはいえ、何をしたいのかよく解らない。いよいよもって作者はモウロクしてきたようだ。誤字脱字も多く、編集者がマトモに仕事をしていない。書い続けるのはファンとしての「お布施」。★

いい気分はすべてを変える。

いい気分はすべてを変える。

いい気分はすべてを変える。(枡野俊明)、200630ごろ読了。禅のラノベ。いつもと書いてある内容は変わらず。今回は禅語少なめ。読んでいるとメンタルダウンが防げる。安心の精神安定本。合掌。★★

スター・ウォーズ 禅の教え エピソード4・5・6

スター・ウォーズ 禅の教え エピソード4・5・6

スター・ウォーズ 禅の教え エピソード4・5・6 (枡野俊明)、200615ごろ読了。5年間かけてちびちびと読んでいた。SWと禅の絡みは無理矢理感があるところもあるが、概ね納得できる。禅語の英訳が新鮮。安心の精神安定本。合掌。★★★

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

  • 作者:学, 先崎
  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: 単行本
うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 (先崎学) 200803読了。前半はうつ病の症状がユーモアを交えて淡々と。後半の復活劇が熱い!詰将棋が小学生用の物しか解けなくなるとか、俺には将棋しかないんだッとか。熱いが、勝負師って哀しいね。文章全体が読ませる。クオリティ高し。
★★★★

本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

本所深川ふしぎ草紙(宮部みゆき)、200810読了。さすがの宮部。珠玉の中編集(七不思議だけあって7編)。お約束で「ニュートラル・エンド」。江戸の人情で万事解決とはいかないところがいい。そして希望を失わない物語。ヒロインは相変わらず不幸な身の上だが、自分を不幸と思っていない強さが素敵だ。★★★★

嘘と孤独とテクノロジー 知の巨人に聞く (エドワード・O・ウイルソン、ティモシー・スナイダー、ダニエル・C・デネットスティーブン・ピンカーノーム・チョムスキー吉成真由美インタビュー)、200919読了。難解なところもあったが、楽しめるレベル。MDノートにメモを残した。ネット関係の意見は、おじいちゃん先生の匂いがして首をかしげる事も(そらまぁ90歳の人もおるけんのぅ)。また、銀英伝で学んだことも、度々出てきた。今後、こういったインタビュー集を読むきっかけづくりになったと思う。新社会性、進化生物とは?、サイエンスの仮説は哲学が、ネットでは「透明」であることは良いことではない、新自由主義とは?★★★

クワバカ (中村計)、200921ごろ読了。すぐさまクワガタ屋の後輩を思い出したのは言うまでもない。クワガタ屋というか虫屋の性をよく書いたものだと思う。マルバネクワガタの第一人者が、これまでのクワガタに賭けた人生を後悔しているという。やはりというか、その絶望感が想像できる。若い頃にはその後悔する将来が想像できないのだ、だから馬鹿なのだ。想像力のない馬鹿が最も恐ろしい。もちろん、そのままクワバカを貫ければこれ程幸せな生き方は無いと思う。何でもそうだけれどね、生命科学の研究でも。どんなに馬鹿に自信があっても、いつかは老いて「賢く」なってしまうのだ。馬鹿のままで賢くならない人を天才と呼ぶのだろう。学生時代にホンモノのクワバカである後輩から2回ほど採集に誘って貰ったことをはっきりと記憶している。石垣島のマルバネクワガタと、どこか関東のナミゲンゴロウだ。マルバネクワガタは8万円で行けた。あの時に行っていたら、わたしの人生は変わっていたかも知れない。ターニングポイントの1つだと認識している。★★★★★

<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫)

<完本>初ものがたり (PHP文芸文庫)

初ものがたり(宮部みゆき)、201107ごろ読了。本所深川ふしぎ草紙に出てくる「回向院の旦那」こと岡っ引きの茂七親分が主人公。江戸の「初」の食べ物がタイトルについた中編集。池波正太郎狙い? ブログで使ってみたい言葉遣いが数箇所あった。やはりニュートラルエンド。どの話も救いはあるが、何かを失っている。江戸深川の情緒はいつものように素晴らしい。夜っぴて屋台を開いている稲荷寿司屋は、正体不明のまま。続編も書かれていないとのこと。
★★★★

幻のアフリカ納豆を追え! : そして現れた<サピエンス納豆>(高野秀行)、201121読了。納豆サーガ、完結す。エッセイのターン、料理のターン、コメディ色豊かな冒険ターン、そして学術ターンがバランスよくまとまっており、資料としてもエンタメとしても秀逸すぎる。納豆の謎を追う旅が、ライフワークになるとは高野さんご自身も思ってはいなかったのではないだろうか。作中で繰り返される「納豆の糸に引き寄せられていた」としか思えない展開が、少し怖いぐらいだ。最後の納豆ワールドカップは、いろいろと穴があっていらないと思うな。★★★

盤上の向日葵(上) (中公文庫)

盤上の向日葵(上) (中公文庫)

盤上の向日葵(下) (中公文庫)

盤上の向日葵(下) (中公文庫)

盤上の向日葵(柚月裕子)、201026読了。真剣師という魅力ある題材がベース。命がけの野試合で鍛えた真剣師が強いのか? 「正式な」リングで戦ってきたプロ棋士が強いのか? 話そのものは、いつものように暗い。逆らえぬ運命に翻弄され、必死にあがくも破滅への道へ誘導されていくという柚月節は健在。先の展開が読みにくく、過去と現在を行ったり来たりでスピード感がある。これならハードカバーで買っても後悔しなかっただろう。ただし、結末は唐突すぎるカットエンド。紙数が尽きたのか、伏線の回収を諦めたのか。★★★★

涼宮ハルヒの直感(谷川流/いとうのいぢ)、201227読了。9年半ぶりの新作かつ「正史」。期待はずれというよりも期待しすぎだったのだろう。本格ミステリ談義のところは、読み飛ばしたくなった。鶴屋さんの「ローマの休日」は面白い。やはり鶴屋さんの語り口は脳内再生余裕にょろ~ん。#1の短編が日常編でキャラたちの帰還を確認できた。次は何年後に新刊?★★

  • ドキュメンタリ本は「クワバカ」が圧倒的にベスト。物語は「四畳半神話大系」と「盤上の向日葵」がベストでした。