- 2230に気力が尽きる。
- 離脱。車内ではスティーブ・ジョブズII。ついにiMacが登場してくる。おお、我が青春のボンダイブルーよ! 当時は"hello(again)"の意味を理解していなかったけどな。
- ボンダイブルーiMacは絵に描いたような衝動買いだった。食うや食わずの大学院生が約20万円の商品を、ポンと買ったのだ。買うつもりはなかったのに、ホンモノをビックカメラでみた途端に、完全に行動を制御できなくなった。一目惚れだ。ニンゲンの女性にもしたことのない一目惚れ。あれは完全に恋だった。
- 約20万円の現金はいわゆる虎の子というやつで、社会人からすると可愛い額だが、当時のわたしは下ろすときにハッキリと嫌な汗をたらたらかいた。しかし勝手にATMを操作する手を止めることが出来なかった。
- さらに愚かなことに発送までの期間が我慢できなかった。一刻も早く「彼女」と二人になりたかった。つまり、持ち帰りしたのだ、あのクソ大きくアホみたいに重いiMacを。
- 下品な書き方で恐縮だが、電車内でもずっと興奮していた。エロ本を初めて買った中学生もかくやで、とにかく箱を開けたい衝動に駆られた。
- 当時の下宿は、最寄り駅から徒歩15分もあった。今ググったのだが、重さは本体のみで17.9kgあったらしい。20kg未満で大したことはないと思うかもしれないが、とにかく箱が巨大で持ちにくいのだ。常にがっぷり四つで相撲をとっている感じだった。
- その17.9kgを下宿までうぉぉぉぉぉっと人力で持ち運んだ。あの愚かで強烈な熱情は、若さとしか言いようがない。