• 比重遠心から染め物へ。フローサイトメーターに到達したのは1800ぐらい。
  • 今までどんなに条件検討しても、ありとあらゆる(と自分では思っている)コントロールでチェックを入れても、頑として検出されなかったタンパクがあっけなく釣れた。もう、ぴっかぴかに光っておる。
  • 半年間停滞していた事になる。どうしてこうなったか。
  • 答えは、「アタマが固定観念にがんじがらめ」になっていた、だ。恐ろしい。本当に怖い固定観念
  • 状況はこうだ。とある臓器を切り刻む→酵素で溶かして細胞をバラバラにする→タンパク質Aに対する抗体Aで検出する。シンプルだ。このタンパク質Aはとてもとてもメジャーで下手をすると高校生でも知っている人がいるかもしれない。それだけ一般的。
  • それが検出されない。不可思議だ。真っ先に疑ったのは「タンパク質Aに対する抗体A」だ。抗体ほどいい加減なものは無いからだ。ピンポイントで病原体をやっつけてくれるイメージがあるが呆れるぐらいピンポイントじゃない。それに抗体はタンパク質だ。製造するメーカーどころか、ロット差も激しい事は生命科学系の仕事をしている人なら身にしみているハズだ。
  • 早速、わたしは抗体Aのチェックを開始したさ。抗体Aは超一流メーカー品だが、情強たるわたしは騙されない。とある臓器じゃなくて、他の臓器を複数切り刻んで、タンパク質Aを検出してみた。
  • 結果。バッチリ出た。超一流メーカー品であり、他の複数の臓器ではちゃんとタンパク質Aが検出される。これで、わたしのアタマには「抗体Aは問題なし」と書き込まれてしまい固定概念化した。さらに、悪いことに超一流メーカー品の抗体Aはとても高価である。他メーカーのブツも高い。簡単に買い換えるほどの財力は我が軍にはないのだ。以後、抗体Aを疑うことはせず、ひたすらに他の条件を検討するループに囚われてしまった。
  • ループから脱出した本日のきっかけは、他メーカーの営業マンがくれたタンパク質Aに対する抗体の試供品だった。これがあっけなくワークしたのだった。
  • TRUST NO ONE(誰も信じるな)とフォックス・モルダー特別捜査官から散々に学んできたではないか。
  • 半年前に戻らせてくれ、orz
  • 走りに行く。気分はすこぶる良い。8km。風が乾いている。