• 湿気を含んだ冷涼な風を受けつつ、バーボンソーダ。ここがユーコン川なら遠くでオオンと狼が鳴いて、近くの川からぼしゃんとムースが飛び込む音が聴こえるはずだ。ついでに下弦の月に怪しく雲がかかるのも確実。なぜなら野田知佑の冒険行では必ずそうなるからだ。しかしここは地元なので、田んぼのカエルが大合唱。用水路でゴイサギ(夜烏)がクワックワッと存在アピをしてくるのだった。
  • ユーコン川とまではいかないまでも、日本の里山を歩き回って虫採りをしたいわたしは、例の爆弾部位を抱えているわけにはいかないのだ。まだまだ身体能力もトレーニングで高めたいしな。これがあと10歳年を食っていたら爆弾部位との「共存」を考えたかも知れない。いいタイミングだと前向きに考えよう。
  • もちろんリスクも有る。手術中のアクシデントは殆どないが(あっても天文学的数字)、その後はどうなるか。古傷のようになってしまい、季節ごとに手術跡が痛むかも知れない。だったら無症状なのだからこのままの方がいいのではないか。微かな迷いをユーコン川ならぬ虫採りへの野望で忘れようとする中高年だった。