• 未明。まだ薄暗い。時刻は2730だった。友永大尉が起きる気配がして、テレビを見始めた。もちろんお好みの音量で鑑賞されているので、実に煩い。さらに、扇風機を自分の方へ抱え込んでしまい、わたしの方に風が当たらなくなってしまった。どうやら大尉は暑さで覚醒してしまい、もうこのまま起きていることにしたようである。時間に縛られた労働などという下賎な身分の者が行う行為に大尉は縁が無いため、眠たくなったらそのまま昼でも眠るという「犬猫式睡眠法」が可能である。
  • 一方、わたくしは毎朝死ぬまで鎮守府に上番せねばならぬ下賎な身分。3時半などという時間に叩き起こされてはたまったものではない。週明けから暑さと睡眠不足でやられるのは避けたい。
  • 枕を抱えて天守閣に逃亡した。3F上部に位置するので、窓を開け放つと川面からの風が極上の天然クーラと化して効くのである。ゴザマットに倒れこむ。