• 今村 昌弘「屍人荘の殺人」を読了。このミステリーがすごい!(1位)、週刊文春ミステリーベスト10国内部門(1位)、そして第27回鮎川哲也賞と史上初にしてデビュー作で3冠を達成した本作。アヤツジもアリスガワもべった褒めである。わたし個人としては、もちろん面白かったが、ハードカバー1700円の価値はなかったように思う。900円の新書なら満足度は高かったろう。

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

ミステリーとしても素晴らしいけど、青春小説としても十二分に評価されるでしょう。名探偵を活躍させるのに辛い時代になったと言われて久しいが、この手でやるには余程の勇気がいるんじゃなかろうか。わたし如きが今更にほざいても仕方ないけど。名探偵を活躍させる事ができる=司法権力の介入なし&科学捜査の封印、ということなのである。かくして、雪の山荘や絶海の孤島で、怨恨を動機とする密室連続殺人事件が大発生することになったのだが。それも携帯電話網とインターネットによりトドメを刺されて30年ぐらいか。