- 乗り継ぎさえ巧くいけば約100分で到達できる某湿原へ。某としても誤魔化しようがないほどに有名な湿原だ。前回は、30km以上を歩き回って目的の虫(アカガネオサムシ)を逃すという大敗北だった(中年は湿原を目指したが・・・。 - 道が無くてもbajaがある〜season 4〜)。
- 今回は、あまりにも有名すぎる採集法である「野焼き後の石おこし」で挑む。産業で説明すると、湿原の葦(よし)が人為的に焼かれる(野焼き)→熱くなった虫は逃げ惑って石の下に隠れる→そこで石をおこしてとっ捕まえる。シンプルでミニマリズムで禅のココロが感じられる採集法だ。
- 現着は想定より1時間遅れの1000ごろ。この湿原はラムサール条約とやらに登録されているので、自然観察センタやレンタサイクルが設置されている。また、昆虫の採集に関してはモラル任せになっておりとても有り難い。
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- ラムサール条約(ラムサールじょうやく、英:Ramsar Convention)は、湿地の保存に関する国際条約。水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で、1971年2月2日に制定され、1975年12月21日に発効した。1980年以降、定期的に締約国会議が開催されている。 正式題名は特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(英:Convention on Wetlands of International Importance Especially as Waterfowl Habitat)。
- その自然観察センタでレンタサイクルの手続き。1日600円だ。前回は徒歩で攻めざるを得なかった(冬期はレンタサイクルが閉まる)。
今回の相棒である「脊椎間拡大号」。母様の脊椎間の狭窄が治ることを祈願。
- 例によって例の如しでスタートは脳内麻薬大爆発状態であるので、電磁カタパルトで弾き出されたF-35Cほどの速度で湿原を目指して疾走開始。10分もすると湿原が目視され始めた。
- おおお、いきなり「野焼き」の部分が現れた。なるほど〜。まぁさんざん漁ったwebの写真通りなわけだが。
こんな感じで、普段は葦原である部分に人為的に火が放たれて黒焦げとなっている。
石が点在しているのがおわかりだろうか。この石に主にオサムシ・ゴミムシが避難しているので、おこして捕まえていくのである。
- 今回の目標は、前回でボーズに終わったアカガネオサムシ、ゴミムシの美麗種にしてレアのオオヨツボシゴミムシ、そして激レアであるセアカオサムシの3種類。web上に存在する採集記ではアカガネオサムシとオオヨツボシゴミムシは普通に採れている。いくらポンコツなわたしでも何とかなると思うんだ。セアカは無理だろうけど。
- わざわざホームセンタで買い込んだ新品のゴム長靴に足元を換装し、石おこしを開始。
- 開始3つめでアオゴミムシは出た。まずはムシがいることを確認。
- やはりチャリがないと駄目だな。車やバイクよりも低速ですぐに降りて石おこしができる。天候は良く、ヒバリの高鳴きとウグイスがいい雰囲気だ。野焼きの部分には、大量のカラスが降り立って何かをついばんでいる。
- 1つの場所に執着せず、数個をおこしたら移動する事にする。いない所をいくら探索しても無駄だ。
- 4つめの移動だったと思う。雑木林にほど近い野焼き部分をおこした瞬間だった。ギラッと赤く光る前胸が見えた。「セアカっ!!」と叫んで捕獲。まさか。まさか、まさか!!
激レアであるセアカオサムシをげとー。縁がない人は何回採集しても採れないと聞く。分布は局所的で、いるところにはまとまって生息しているとの事。手が震えてiPhoneのシャッタがなかなか押せなかった。
翌日に仮展足しているところ。よく見ると右前脚の符節が欠けているがいいのいいの。自力で採ったレア種だ。埼玉インセクトフェスに行けば簡単に手に入るけど、まだその手段で標本箱に入れようとは思わない。
- 俄然、士気は高揚する。この勢いでアカガネオサムシとオオヨツボシゴミムシも我が手にしようではないか。
- その前にハラ減ったな。