• 定刻に明太子修羅の国に到着。6年ぶり7回目のようだ。


前回は、「探偵はBarにいる」が上映された年の2011年。活気があるこの街はお気に入りで、ほんの少しだけだが地図が頭の中にある状態だ。

  • 天神宙域の宿に無様スポーツバックを預けてから、お笑いライブ会場へ向かう。
  • 会場にてレジスト。
  • 自分の会場を確認して一回りすると脱兎の如く脱走。ややや、定時ですから。
  • 空港線で博多まで進出し、目を付けていた大衆割烹・寿久(ひさきゅう)へ。


実は前回の訪問の際も乗り込もうとしたのだが、6年前のヲレは雰囲気にビビって入れなかったのをここに告白しておく。もういい加減のジジイと化してしまった今は、畏れよりも品定めの目が強くなっており、するりと開店ダッシュをキメた。

  • 間口は極端に狭いが、奥行きがやたら広い店内には、わたしの他に客はおらず。にもかかわらず、予約の有無を聞かれて、予約していないと答えると90分制限を申告された。まぁちょうどいい時間だが、いきなりの一見さんチェックだったのか?


開店と同時に、カウンタ席の全てに予約の札が立てられている異様な風景。わたしが座った席も既に予約されていたのだが、「特別ですよ」と言われて席を作ってもらった。ただの予約札の他に個人名が書かれた物もあったが、差異は謎。

  • 情報通りに70歳前後のオババたちが仕切っている。最初のドリンクは「生ビールでいいね」と勝手に決められてしまう。

  • これまた情報通りに刺身はレジ前のケースから自由に取ってくるスタイルと告げられる。これはつまり一品目は取ってこいと言われている。


ゴマサバが名物との事だが、この日はゴマカンパチだった。思わず「美味いな」と呟くほど質はいい。

  • ゴマカンパチで生ビールをやりつつ、じっくりと品定めをしているとオババの視線に気がつく。手を後ろに組んで、苛々しているのが明らかだ。これは、次の料理をさっさとオーダしろと言われている。
  • キビナゴの天ぷらをオーダした。しかし、オババはオーダを厨房には通さない。これは、次のドリンクをオーダしろと言われている。よって、麦焼酎1合を頼んだ。


キビナゴ天ぷら。揚げたてに勝るものなし。


どすーんと氷と水が付いてくる焼酎セット。コミコミで320円という圧倒的CPを誇る。

  • 飲み食い開始してから30分経過。ようやく次の客が入ってきた。65歳ぐらいのパイセンで、彼も予約なしのようだ。わたしと同様に「特別に席が」作られた。ほほぅ、予約ェ
  • オババの視線を跳ね返すぐらいには酔いが回ってきた。たっぷりとある焼酎は濃いめに割っても4-5杯は楽しめる。レジ前ケースから馬刺を勝手に持ってくる。


うーん、悔しいがどれも質がいい。美味い。

  • 静かな大衆酒場で濃い焼酎の水割りを馬刺でやっていると、いっぱしの酒飲みになれたような気がしてきた。すると、先ほどのパイセンがいそいそと帰り始めた。「90分で終わりとか言われると落ち着かないよぉ」と捨て台詞を残して。まぁ、そうだよな。
  • この辺りからアジア系の人たちが「おはよーございます」と言ってドヤドヤと厨房に入っていく。老舗の大衆酒場とはいえ調理担当はそうなっておるのか。
  • 焼酎を芋に換装し、名物の豆腐の煮込み卵入りを頼んだ。


これがほとんどの客が頼むという豆腐の煮込み。煮魚の煮汁のような甘めの汁で煮込まれている。わたしには砂糖がきつすぎた。

  • お勘定は3050円オール。滞在はきっかりと90分。ついに「予約席」には、わたしとパイセン以外の客が来ることは無かった。Webで情報を漁ると「いつも予約がいっぱいで入れない」との記述もある一方で「XXさんが予約を入れていたので、すんなりと入れた」との情報も出てくる。退店する際に「いつも予約でいっぱいなのですか」と聞いてみると「固定客が多いからね」とのこと。
  • 雰囲気抜群、料理は安くて美味し。しかし、どうやら・・・のお店のようだ。
  • さて、まだ宵の口どころか1900である。〆はやはり豚骨で細麺のアレだな。
  • GPS誘導に従ってふらふらと博多一双を目指した。



スープが泡立っていることが特徴の一双。美味し。何よりも、誰に対しても丁寧で元気のいい接客が、前の店とは大違い。

  • 宿に戻っても2030ぐらいである。しかし、かなりいい感じの酔っぱらいだ。そのままコンタクトも外さずにぶっ倒れてしまう。