• 市街地に近づくと、降雨開始。しかも洒落にならない雨脚の強さ。目的のムシは既に確保したし、残りはのんびり行こうよ。
  • とは言うものの、宿は清掃中で戻れないし、まだ早朝と言ってもいい時間で観光地もどうだろう。ごつい雨具を装備しているので寺なんかには入れないだろうし。


途中で見つけた志賀直哉旧居。よし、観光1つ。

  • 古代都市公園にたどり着くと、さらに雨脚は強まった。東屋に緊急退避。いつも利用する会社近くの公園と違ってプロフェッショナルなアウトドアメーンたちがいないので快適だ。


豪雨に耐えかねて、逃げこむ。東屋の下で、朝食を摂った後、ゆっくりと読書。


その昔。本当に若かりし頃。北海道や八重山の離島や四万十川源流で、同じように豪雨によってテントや東屋で停滞したことを思い出す。未だに、スタイルが変わっていない。いや、変えることが出来なかったのか。わたし自身の成長は、止まってしまったのだ。


よく言われるように、いわゆる青年期には、誰でも貧乏旅をしていると親切にされるものだ。東屋で雨宿りしていると、地元の人から差し入れをもらうなんて珍しいことではなかった。しかし、もうわたしはヒゲに白髪が混じる初老だ。地元の人は差し入れの代わりに、官憲に通報する事を選ぶだろう。年齢に合ったスタイルというものは、確かに存在するのだ。もちろん、君は信念に基づいてスタイルを変えなくても構わない。しかし、落ちぶれて年老いた格好付けのDesperadoほど醜悪なものはない。覚えておき給え。

  • 昼過ぎに雨脚弱まる。