scene at 2400-0700
- 体調は良好なことがすぐに解った。ばたばたと装備を整え始める。友永大尉は、悠々と夕食の最中だった。
戦闘糧食の喫食を開始。今回はバナナを加えた。会場につく頃には消化されて血糖値が上がっているはずだ。
エナジージェルをランニングパンツに装填する。ハーフと異なり、フルではカロリーの補給無しでは完走できない。約10kmおきに1つのジェルを食べるのがセオリーのようだ。赤色はアミノバイタル(200円ほど)、灰色はモルテン100(1000円!!)。モルテンは最後の30km地点で解き放つ予定。
- 浮間舟渡駅から会場までは徒歩15分ほど。人の流れに乗れば簡単だ。
続々と集結してくるランナーたち。階段は荒川の堤防を登っているところだ。
scene at 0700-1200
- 会場には0700ちょうどに到着した。からりと晴れ上がっており、素晴らしいことにほぼ無風だ。
荒川の河川敷にある野球場にテントが張られて、本部が設営されている。
- 体温を測定し、宣誓書を提出するだけでエントリーはおしまい。更衣室テントでお着替えを済ませて、荷物を預けるともうやることが無くなってしまった。スタートまで2時間もある。半袖Tシャツ短パンのランニング姿なので、とにかく寒いのである。辛かったよ。次はゴミ袋を合羽のように被って対策しているランナーたちを真似てみようかな。
- 空いているうちにトイレで出すものを出した。さらに胃から戦闘糧食が下に落ちて空腹となっている。よしよし、これでいいのだ。アミノバイタルを1つ食べておく。
わたしは2時間前に到着したので並ぶことはなかったが。トイレ待機列はコミケを超えていると思う。
- 寒いし暇なので会場をうろついたり、トイレ(小)に3回ほど行ったりしているうちにスタートとなった。
スターティンググリッドに着いたところ。自己申告制のタイム順でスタート位置が決まるウェブスタート方式だ。わたしは、初フルマラソンなので最後尾のグループからスタート。
- 0924、定刻どおりに号砲。拍手とともに走り出した・・・。いや、歩きだした。1万人規模の大会なので、前がつかえて渋滞しているのである。
- 5km地点。今日はハーフではない。42.195kmを走りきらなくてはならない。同じペースで、自分の身体をフィニッシュラインまでクレバーに運ぶのが仕事だ。絶対にスピード勝負は出来ないし、煽られたりしても挑発にのって接近戦に入ったりしてはならない。5'19''/kmで走行中。
- 10km地点。調子がいい。しかし、クレバーに。Apple Watchが投げてくる数値に合わせて走るのみ。 ここで1発目のアミノバイタルを投下した。5'23''/kmで走行中。
- 20km地点。コースは荒川の河川敷をずっと走ることになる。人によっては退屈と感じるようだが、川べりコースで練習しているわたしにとっては馴染み深いし、生き物を観察できるので退屈とは感じない。2発目のアミノバイタルを投下。5'31''/kmで走行中。
ひるめしのもんだい
- アミノバイタル・パーフェクトエネルギーx2、モルテン・ジェル100x1@備蓄より。
scene at 1200-2200
- 25km地点。心肺機能も脚も全くもって余裕である。5'23''/kmで走行中。
- 30km地点。まだまだ余裕だ。ここで1つ1000円のモルテン・ジェル100を投下した。「胃のなかで炭水化物を“カプセル化”して包み込み、炭水化物と認識されないようにするハイドロゲル技術により、本来人間がエネルギーに変換できる量の約3倍の炭水化物を摂ることができる」んだってさ。5'31''/kmで走行中。
- 35km地点。28kmしか走ったことのないわたしにとっては、未知の領域に突入している。よく言われるフルマラソンの「35kmの壁」は、わたしには関係なかったようだよ、HAHAHA!! 5'39''/kmで走行中。
- 36km地点。右膝にぞくりとする違和感が走ったと思った瞬間にがくりと崩れ落ちる。何だ何だ(滝汗。レース後に冷静になって振り返ると、これは「脚がつる」という現象だったようだ。ペースは5'50''/kmに急低下し、精神的に動揺する。
- 38km地点。また脚がつる。この辺りから急激に走るのをやめて歩いてしまうランナーが増えてきた。コース脇で嘔吐しているランナーもちらほらと見かける。ハーフマラソンでは無かった光景だ。5'52''/kmで走行中。
- 40km地点。また脚がつるので、グーで腿を殴る。ぇぇっと。あと2.195kmもあんのかよ、脚がもたねぇ!! こりゃあ拙いぞ。自分の身体をフィニッシュラインまでクレバーに運ぶのが仕事だとすると、ここは歩くべきなんじゃないかと一瞬考えた。5'52''/kmで走行中。
- ・・・。
- Apple Watchを確認すると、タイムは03:44:18。 このままのペースで走り続けるとサブ4(4時間以下)を達成できるではないか。これで再びわたしに火が点いた。さぁ、使え。何を? 根性だよ、根性!!
- ・・・。根性が効かねぇぞ、おい!! 脚が言うこと聞かないんだよ!! また脚がつるので、グーで腿を何回も殴って走り続けた。ちなみに、心肺機能とスタミナはまったくもって余裕であった・・・。5'59''/kmで走行中。
- フィニッシュラインを通過。42.195kmを完走。最後まで歩かずに走りきったばかりか、タイムは03:57:06とぎりぎりでサブ4を達成!!
やりました。完走者のみに進呈されるフィニッシャー・メダルと参加賞の1つのシャーベット。名物だそうです。
もう1歩も動けん。ここで生活するしかない。
フィニッシュライン。制限時間は7時間なので、まだまだランナーたちが帰ってくるのが見えた。
撤退開始。会場を後にするが、42.195kmを走った直後の徒歩15分は異様に辛かった・・・。
scene at 2200-2400
- 身体のダメージは甚大だ。フェルビナクを塗りたくって誤魔化してはいるが、明日に起きた際にどうなるだろうかw
善因善果 悪因悪果
一隻眼
このためにフルマラソンを完走するわたしは、典型的な「ファンランナー(Fun Runner)」です。
きっと何者にもなれないお前たちに告げる
- 102点。フルマラソンを初めて完走し、かつサブ4を達成。2023年3月19日は、わたしの人生で忘れない日の一つになった。